佐武宇綺 & アボカズヒロ スペシャル・インタビュー 「上手いDJがたまたまアイドルだったって状況を作りたかった!」

昨年には武道館公演も実現させたトップクラスのガールズユニット9nine。その中でも独特の存在感を誇る佐武宇綺が、本格的なDJを目指して活動していることを知っているだろうか? 今回は彼女のDJの師でもあるアボカズヒロ氏との初のB2Bの現場に伺い、彼女がDJに興味を持ったきっかけ、そして目指すDJ像など、師のアボ氏と共に話を聞いた。

Photo:simon amano  ※写真は6月13日 恵比寿BATICAにて



– 佐武さんがDJを始めたきっかけは?

佐武:もともと2.5Dでやっている9nineの定期番組の中で、それぞれのメンバーが“挑戦したいことは何?”みたいな話になって、「一度、DJを経験してみたいです!」という案を出したんです。それなら、ちゃんとしたプロに教わってDJをすることをまでやってみようということになって、そこで出会ったのがアボさんだったんです。

アボ:僕がもともと桜木DJアカデミーをやっていたのもあって、プロのDJの中では、(僕が)教えるのに慣れているだろうということで(2.5Dさんに)選んでいただいたようです。最初、話をいただいたとき、タレントさんや芸人さんがイージーな感じでDJをするのが流行っていた時期で、DJ業界では実はそういった風潮(タレントが片手間でDJをする)はあまりよく思われていなかったんです。でも僕は佐武さんを、アイドルがDJをやっているんじゃなくて、上手いDJがたまたまアイドルだったって状況を作りたかった。それに現在のクラブシーンがはらんでいる一種の閉鎖的な側面を打破したくて、そのきっかけに佐武さんがなればと考えたんです。どうせやるならガチでやってやろうと!


–(佐武さんは)最初はそこまでガチな気持ちじゃなかった?

佐武:そうですね(笑)。最初はコーナーの企画としてアボさんを紹介していただいたんですが、教えてもらうとDJって私が思っていたよりもずっと深い世界だったんです。DJ機器の操作のボタンはこんなにたくさんあるのか!だったり、常に楽曲を調べて、そのときの状況にあった楽曲をチョイスしたりとか。どこか9nineのライブと似ているなって感じる部分もあって。9nineはライブのとき、自分たちで楽曲を選んでセットリストを組んでいるんです。それってDJと共通する部分があるような気がして。そう思うと(DJ)をやっているうちに楽しくなってきたんです。アボさんのレッスンを受けていくうちに、本格的にDJをとことんやってみたいって。


– 佐武さんはDJは本当に初めてだったと聞いていますが?

アボ:まずは、「世の中にはいろいろな音楽があるよ!」ってところから始めました。DJを教えるというのは、機器の操作を教えるってことだけじゃないんです。機器の操作なんてDJの世界を100とすると、1とか2でしかない。残りの98は何か?というと、その人が持っている感性、個性なんですよ。それをより深めていくということが大事。最初、佐武さんを教えることになって、「お仕事として、形だけDJを教えて終わりなのかな」という不安もありましたが、話をしていくうちに、佐武さんの感性のおもしろさを感じ始めて、その部分を掘り下げてみたら、おもしろいものが世の中に出せるんじゃないかって直感が働いたんです。だから彼女の感性をもっと知るために、DJの話だけじゃなく、世の中の様々な文化やアートの話もするし、歌詞の話もする。

佐武:英語の話もしますね。

アボ:DJの練習の合間に佐武さんが好きな洋楽の歌詞を一緒に訳してみたり。みんなが思っているよりも、きっとちゃんと学校していますよ(笑)。佐武さんとは自己表現をする為のトレーニングをしている感じなんです。

佐武:ですよね!


– アボ先生は厳しいですか?

佐武:すごく厳しいですよ! 「まだ早い!」って最初はDJ機器も触らせてもらえなくて…。「DJとは何か?」みたいな部分から入ったり。「DJはどうやって音楽を探していると思う?」「DJは誰の為にやっていると思う?」というような質問をされて、正しい答えが出たら「じゃあ(機器を)触ってみようか」…そういう感じでした。


– 職人の修行みたいになっていますね?

アボ:よく子弟関係と言われますが、先生と生徒というよりは子弟に近いです。


– おまえにはまだ包丁は握らせないみたいな

佐武:最初はありましたよ! 今はだいぶ私もわかってきたので、厳しく言われることも少なくなりましたけど。最初の頃は質問に対して、言葉が出ないと、とことんそれについて教えてもらうようなことの繰り返しでした。

アボ:佐武さんはそれをちゃんとわかってくれるんです。少し語弊のある言い方をしてしまうと、僕は佐武さんが周囲から「不思議ちゃん的な扱いを受けている」ような気がしたんですよ。

佐武:でも、その通りですよ。(9nineの)メンバーでいちばんヌケているキャラクターなんで。

アボ:でもこの子は不思議ちゃんだけじゃなくて、何か鋭いものを持っているし、そこを伸ばしていったら彼女の評価も「天然な面もあるけど、表現の感性はビビットなものがある」というものに変わってくるんじゃないかって。

佐武:その変化は私も感じます。アボさんが言うように、初見で私を見たら、ヌケてるキャラがそのままでギャップもないって感じると思うんです。でもDJを始めてから「うっきー、ふだんはこんなにヌケているのに、ちゃんとしたDJをするんだ」っていう評価をいただけて。DJを始めて自分のギャップというか違う面を見つけることができて嬉しいです。DJによって新しい自分を発掘したといか、発掘されましたね


– 実際にDJデビューするのに、どれくらいかかりましたか?

佐武:早かったですね。

アボ:もともとは2.5Dの企画ありきの話だったので、それに間に合わせるので3ヶ月くらい?

佐武:そうですね。企画のときは、基本的なことをやっているうちにイベントも終わってしまって。そのあと何も決まっていなかったんです。でも、その頃、私が声優で参加させていただいたスペース⭐︎ダンディの音楽にたくさんのアーティストさんが参加されていたので、「イベントできるよね」って話になったんです。そこで監督さんに「うっきーは最近DJ習っているならやりなよ!」って。はじめて外の現場でDJをやることになってからは、さらに本格的にアボさんと勉強と特訓をしました。

アボ:だって本格的なDJデビューが代官山UNITのメインフロアっていう…。

佐武:代官山UNITのメインフロアでTaku(Takahashi)さんの前にやらせてもらって、そのあとが岡村靖幸さんという…。


– すごいメンツですね。

佐武:そうなんですよ。すごいプレッシャーで緊張してしまって、あの日のことは全然覚えてないんです。でも本当に楽しかったです。DJってこんなに楽しいだっていうのを肌で感じました。自分のライブも楽しいんですよ。お客さんがいて、私が笑ったり、踊ったりしているのを見て、涙を流してくれる人もいれば、叫んで応援してくれる人もいる。DJも私がかけた曲によって、その人の反応が変わっていく感じが、自分が踊ってるときに感じるお客さんの表情と同じように思えたんです。

アボ:佐武さんは最初からキャッチボールができたんです。一方的に球を投げつけるんじゃなくて、お客さんからのボールもキャッチできる。でも代官山UNITのときは年の離れた妹の発表会を観に行くみたいな感じで超ドキドキでしたよ。


– アボさんから見て、佐武さんは、どんなDJだと思いますか?

アボ:佐武さんは人を思いやるDJだと思います。その空間にいる人たちが、どうしたらハッピーになれるかを、いつも真剣に考えているんです。ひとつ訂正すると、人を思いやるけれども、しかし“媚びない”DJです。どうしたらハッピーにできるかを考えているけど、それをそのまま出すんじゃなくて、プラスアルファで新しい発見も加えてお客さんに返してくれる。あとは音に関する感性がものすごい鋭いですね。教えていて楽しいです。


– 佐武さんから見たアボさんは?

佐武:DJ界をひっくり返すスペシャルな存在です。なんて言ったらいいんだろう? 私はDJ業界の人間じゃないので、客観的に見たときに、この世界って、イメージですけど怖そうな方とか、派手な方がやっていたり、未成年が遊べなかったり、すごく近付き難い業界だと思っていたんです。でもアボ先生は幼稚園でDJをしたり、親子でも楽しめる空間を作ったり、老若男女いろいろな世代に好かれるような世界を作っているので、アボ先生と出会ってDJのイメージがガラッと変わりました。


– アボ先生は佐武さんにどんなDJになって欲しい?

アボ:9nineの活動との相乗効果だと思うんすが、日本だけじゃなくて、世界に出ていって欲しい。日本のポップカルチャーを多元的に体現する存在として声優だったり、アイドルだったり、いろいろな層にアクセスするチャンスがあるんじゃないかと思うんです。それだけじゃなく、佐武さんはアンダーグラウンドな現場でもカッコいい曲をかけれるので、けっこうスゴイんだぞって事もだんだん世の中に伝わっていけばいいと思っています。

佐武:アボさんの意志を受け継いで、(アボさんの)DJの印象や雰囲気を継いでいきたいし、同年代の人にも楽しんでもらえるような空間を自分が発信できればいいと思っています!



佐武宇綺

パフォーマンスガールズユニット9nine(ナイン)のメンバー。

DJ活動の他に、声優としても活躍中で、2016年7月からスタートの TVアニメ『モブサイコ100』にレギュラー出演が決定している他、アニメ『スペース☆ダンディ』ではお掃除ロボットQT役メインキャスト出演、『HUNTER×HUNTER』、『ドラえもん誕生日1時間スペシャル』、『ナースウィッチ小麦ちゃんR』、『それでも世界は美しい』他、に声優として出演。

9nine LIVE 2016「BEST 9 Tour」開催!

7/1(金) 愛知・Zepp Nagoya

7/19(火) 大阪・Zepp Namba

7/23(土) 東京・中野サンプラザ


9nine 公式:http://9nine-fan.lespros.co.jp/

佐武宇綺 Twitter:https://twitter.com/lespros_uki

佐武宇綺 Instagram:https://www.instagram.com/9nineuki/


アボカズヒロ

青森県八戸市出身。幼稚園からageHaまで、大箱/小箱関わらず、ジャンルやシーンの壁すらも包み込むような”無偏見”なプレイで全国津々浦々の老若男女を日々踊らせ続けている。ライフワークにしている子供に向けてのDJ活動は、TBSラジオ、朝日新聞など数多くのメディアで取り上げられ、大きな話題を呼んだ。また、DJスクール「桜木DJアカデミー」を立ち上げ、DJ講師としても活動中。


アボカズヒロ Twitter:https://twitter.com/abolabo

桜木DJアカデミー:https://www.facebook.com/sakuragidj/

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