秋のヘッドフォン祭2016直前! フジヤエービックが考えるヘッドホン、イヤホンのこれから

いよいよ明日に迫ったヘッドホン、イヤホン・ファンには恒例となったヘッドフォン祭。回を重ねるごとに入場者も増え続ける人気イベントだが、昨今のBluetoothモデルの台頭、ハイレゾの一般層への広がりなども含め、今後のシーン、そしてヘッドフォン祭がどうなっていくのかを主催のフジヤエービックの広報部長の石曾根氏に話を聞いた。

--さっそくですが今回のヘッドフォン祭はどういったものになりますか?

 石曾根:早いもので、今回で18度目のヘッドフォン祭になります。春、秋と年に2回、もう8年やっていて、来ていただいている方はご存じだと思いますが、いまだに毎回前回を上回る方にご来場していただいています。今年のヘッドフォン祭の特長は、中野文化祭とコラボして同日開催で行なうことです。中野駅北口の中野サンプラザやその前の広場、セントラルパークなどで、2日間イベントをいたるところで行うんです。 


サブカルに縁の深い中野と相乗効果で盛り上がる 


石曾根:中野はブロードウェイをはじめとして、サブカルチャーの色が強い街です。中野文化祭はアニメやコスプレがキーワードだそうです。ヘッドフォン祭に来られる方の中にも非常にアニソンが好きな方やサブカルチャーに造詣の深い方も多くいらっしゃいますので、そういう方々との相乗効果を狙っていければいいと思っています。当日は中野駅北口の中野サンプラザ周辺が2日間、お祭り騒ぎになります。ヘッドフォン祭は男性比率が高く、女性の来場者は現状一割くらいなのですが、中野文化祭は非常に女性向けのイベントが多いんです。我々としては中野文化祭に遊びに来られた女性の方に、ヘッドフォン祭も覗いていっていただけることを望んでいますし、逆に中野文化祭側からすると、(ヘッドフォン祭の来場者には)オタク系の男性の方も多いので、お互い行き来してくれればという期待があります。 

--今回ならではの取り組み(ヘッドフォン祭と中野文化祭がコラボすること)はあるのでしょうか?

石曾根:いくつかあります。(中野文化祭の中で)アニソンの文化祭的なイベントがありまして、そこにフジヤエービックとして協力します。今回、ZEIIITA(ゼタ)の楽曲の「Now on SAIL」と「ミナト」が中野文化祭のオープニングとエンディングテーマになっていまして、彼らがヤマハ所属のアーティストなんです。ヘッドフォン祭にはヤマハのヘッドホンも展示されていますので、ZEIIITA(ゼタ)にヘッドフォン祭のヤマハブースに来ていただいたりしようと考えています。中野ブロードウェイも含めた、いろいろなサブカルチャーの中で、私どもから見て、ユーザー層が被るものは共同でアピールをしていこうと思っています。 


中野文化祭とミックスで楽しんでほしい

石曾根:今回、中野サンプラザの前でコスプレパレードが行われるのですが、そのコスプレイヤーさんたちにも気軽にヘッドフォン祭に遊びに来てくださいとSNSで呼びかけたりもしています。ヘッドフォン祭とコスプレって関係ないでしょ?という方もいらっしゃいますが、中野ってこういう街なんだということもアピールしていければと思っています。フジヤエービックもあり、まんだらけがあって、いろいろなサブカルチャーのお店があって、加えて言えば、カメラオタクご用達のフジヤカメラもあるよと。そういうカオスな街のイベントの中にヘッドフォン祭もある。ひとつひとつというよりは、ミックスで楽しんでいただければと思っています。


マニア層になるであろう人、なりたいと思っている人を応援していきたい


--ヘッドフォン祭を始めて8年とのことですが、ヘッドフォン、イヤホン、そしてユーザーは、どんな風に変化してきたと思われますか?

石曾根:2008年からヘッドフォン祭を始めたのですが、当時、ようやく10万円を超えるようなヘッドホンが各社から出始めた頃で、「ヘッドホンで10万円もするの!? 」と、みなさん驚いていたんです。それが5年もするとあまりビックリもされなくなってきました。ハイレゾのプレーヤーで12万円、24万円というものも出てきて、そういうものかと慣れてきたんですね。実際にヘッドフォン祭などで、高額のアイテムを経験する機会も増えてきて、値段だけの価値があるとわかっていただけるようになったんです。3、4年前からはイヤホンでも10万円を超えるものが多く出てきて、それも今では20万以上のイヤホンもあって、ポータブルオーディオ製品に対する考え方がマニアだけでなく、一般的にも認知度が上がったと思います。

※下記写真は2008年の秋のヘッドフォン祭の模様:フジヤエービック提供

--その理由は何だと思われます?

 石曾根:ポータブルオーディオ製品がテレビやWEBといったメディアで紹介され始めて、それがいくつも続いたことで、一般の方も気になるアイテムになってきたのだと思います。加えて、スケーターの羽生結弦さんが、高級なイヤホンをたくさん所有されていることが取り上げられたり、著名な方が使われたことでの効果は大きいですね。8年前はイヤモニという言葉をわかる人なんてほとんどいなかったですが、いま「イヤモニってわかりますか?」と質問したら、「ミュージシャンの人が耳にしているアレでしょ?」ってわかる人も多くなっています。 


--フジヤエービックはピュアオーディオ製品も扱っているわけですが、高額のポータブルオーディオ製品に理解を示し始めたのは、ピュア・オーディオファンが先だったのでしょうか? 

石曾根:ヘッドフォン祭を始めた当初、ポータブルオーディオはアーリーアダプターだったんです。もともとオーディオが好きだった人たちが、ポータブル製品にも可能性があるということで目を向け始めたという感じでした。8年前はハイレゾという言葉も一般的ではなくて、なおかつハイレゾの音楽を再生しようと思っても音源もないような状態で、環境が整ってなかったんです。何年かして、ハイレゾが認知され始めると、これまでアーリーアダプターだったポータブルオーディオの製品に、いままでオーディオに興味がなかった人たちが興味を持ち始めました。iPodやiPhoneで音楽を聴いている層が、「ハイレゾって何ですか?」 「10万円のイヤホンってiPhoneに挿して音が出るんですか?」だったり、「どんな音がするんだろう」って。今では女性でもかなりマニアな方が少数ですがいらっしゃったりするので、ピュア・オーディオファンからの流れと、新しく興味を持ち始めた人たちの流れが合わさって、ハイレゾやポータブルオーディオに興味のある方が増えているという現状です。 


--主観でかまいません、ハイレゾやポータブルオーディオに火が付き始めたブレイクスルーの製品ってなんでしょう? 

石曾根:私どもではここ一年くらい、ヘッドフォン祭のあとにヘッドフォン祭アワードというのを実施していまして、出展された製品のランクを付けています。中でも以前から認知度が高く実力のある製品を殿堂入りと称しているのですが、ひとつはヘッドフォン祭で日本でのローンチをさせていただいたゼンハイザーのHD800です。これは当時、価格が16万円で、「ヘッドホンで、そんな高いとは、どういうことだ!」と話題を呼んだのですが、一度でも音を聴いていただけると「これはすごいなと」みなさん納得していただけるんですね。ヘッドホンでのブレイクスルー製品ということであれば、HD800がそのひとつだと思います。


その次は2012年にアステル&ケルンがAK100というハイレゾプレーヤーを世に出したときです。当時ハイレゾという言葉も知られ始めていましたし、概念もわかっていたのですが。聴くための環境がなかなか整っていなかったんです。そんな中、ハイレゾを簡単に再生できるプレーヤーが出てきたと。あとネットのダウンロード環境も整ってきて、ハードが売れるから、ソフトも売れる、その両輪なんでしょうね。ソフト側もダウンロードできる音源に力を入れて、サイクルが回り始めて、現在に至ると。そういう意味でもAK100はエポックメイキングな製品だと思います。

―-最近iPhone7が出ましたが、Bluetooh関連の製品の流れも含め、このあたり、ヘッドホン、イヤホンはどうなっていくと思われます?

石曾根:私もこれには容易に答えが出せなくて、みなさんも固唾を飲んで見守っているところだと思いますが、appleがiPhone7で3.5mmのイヤホン端子を無くす決断をされて、もう復活することはありえないとは思いますが…。でも逆に現時点で世の中にあるスマホの中で、イヤホン端子がないのはiPhone7だけなんです。まだiPhone5や6シリーズを使っている方もいるでしょうし、携帯の場合2年サイクルで契約の縛りがあるので、2年後くらいに、大きく変わってくるのではないかと予想します。ただ現在はBluetoothの製品が音を完全にデジタル化して送るという技術において、過渡期ではないでしょうか? 今年のヘッドフォン祭でもaptX HDというハイレゾレベルを伝送できるワイヤレスの規格を搭載した機器が出てくることになっています。このあたりが普及してくるかどうかですね。SONYは独自でハイレゾレベルの音を伝送できる規格を設けていますが、どちらにしても2年後くらいにどう進化しているかです。


--スマホで音楽を聴くという選択肢の他に、専用プレーヤーで楽しむ人も増えてくるのでしょうか?

石曾根:例えばSONYがこの秋に出されて話題になったウォークマンのNW-WM1Zは30万円くらいしますが、これはアーリーアダプターでマニア向けの製品なので、音質最優先で購入される方が一定層いらっしゃいます。

同じく私も気に入っているウォークマンのNW-A30シリーズは価格も2万円代くらいからだし、iPodの代わるようなガジェットになればいいかなと思っています。ただ一度スマホの便利さを知った人が、音楽専用のプレーヤーを持つかどうかは、心配なところですが。やはり私たちとしては、そういう製品を買っていただいて、イヤホンやケーブルなどのアップグレードをすると、音が変わるんだっていう楽しみを広めていきたいとは間違いなく思っています。

--最後になりますが、ヘッドフォン祭、もしくはフジヤエービックが目指していくものとは?  

石曾根:ヘッドフォン祭は3、4年くらい前までは、とにかくヘッドホン、イヤホンを換えることで音がよくなることを万人に広めたい意志がありました。その為にいろいろとやってきましたが、「私たちのような小さな専門店がそこを狙っていくのは難しいのでは?」と気づいたんです。比較して申し訳ないのですが、eイヤホンさんはその部分に力を入れられて、量販店同様、もしくは量販店を超える、+マニアックな面も持っていこうとされている方針だと個人的には思っています。私たちフジヤエービックは創業のフジヤカメラを母体にした専門店というスタンスがあるので、私たちはその専門性をより磨いていくことで長所を伸ばしていけるんじゃないかというのが、最近の方針です。低価格帯のものを粗末にするということではなくて、あくまでマニアのお客様やマニア層になるであろう人、なりたいと思っている人を応援していくお店でありたいと考えています。 


秋のヘッドフォン祭2016

世界中のヘッドホン・イヤホン・ポータブルプレーヤー・ヘッドホンアンプを一堂に集めて、試聴できる一大イベント。 この機会に愛用のポータブルプレイヤーや音源で、ワンランク上の音が体験してみよう。 もちろん普段使っているイヤホン・ヘッドホンでも試聴可能だ。


開催日時:2016年10月22日(11時開場 - 19時 終了)、23日(10時半会場 - 18時終了)※入場無料

会場:中野サンプラザ(6・11・13・14・15階、他)

主催:フジヤエービック


※イベント期間中はさまざまな催しが行われる予定、詳しくは下記サイトをチェック

秋のヘッドフォン祭2016公式サイト:http://www.fujiya-avic.jp/user_data/headphone_fes.php

中野文化祭公式サイト:http://welovenakano.com/




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